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地震と瓦屋根の安全性について
耐震・耐風の工法 倒壊解析ソフトで検証 耐震実験で実証 よくある質問

瓦屋根と地震についてなど、よくある質問を集めました
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  • 屋根材は軽いほうがいいと聞きましたが本当ですか?
    • 地震などのことを考えると、屋根は軽ければ軽いほどいいのではないかと思います。軽い瓦というのは、無いのでしょうか。
      地震によって家屋が倒壊する理由が、重い屋根のせい、と考えると、このように極端な方向へ行ってしまいますが、耐震とはそれほど単純なものではありません。その家の耐震性があるかどうかのチェックポイントはいくつかありますが、その代表例を挙げてみましょう。
      1. 地盤(埋め立て地や谷を造成した土地は、揺れが大きく、硬い地盤の上の家に比べて、被害を受けやすくなります。)
      2. 基礎・土台(基礎は最も力を受ける場所です。基礎と土台、柱がアンカーボルトでしっかり固定されているかどうかをチェックしましょう。また、土台や柱が、白アリや雨水等によって、弱くなっていないかを見ます)
      3. 耐力壁(筋かいの入った壁、構造用合板の壁など、耐力壁が家全体にバランス良く配置されているかどうかが非常に大切です。耐力壁は、タテ、ヨコの揺れに、大きな力を発揮します)
      4. 建物の形(大きな開口部のある家や凹凸の多い家は、地震に弱いという特徴をもっています)
      以上のチェックの上にはじめて屋根の重さの問題が出て来ます。

      屋根を軽くしようと、瓦を単に軽くすると、耐久性・断熱性・防音性・といったに屋根とって大切な性能が著しく低下してしまいます。当組合のメーカーでは、従来の性能を保持した瓦の軽量化にも取り組んでいますので、組合員のホームページやパンフレットをご参照ください。または、屋根工事店の方にお尋ねください。

  • 瓦屋根の家は高くつくといわれたが本当ですか?
    • 瓦屋根の家は、耐久性があって美しいのはよく分かりますが、スレートや金属系に比べ高くつくといわれました。メーカーとしてどのようにお考えですか。率直なところを教えてください。
      これは、屋根の価格を最終的にどのように考えるかの問題です。屋根は、一日で消費する生鮮食料品などと違って、非常に息の長い「耐久商品」です。瓦屋根の商品の寿命は、ふつう30年といわれていますので、それを基準に考えると、その価格の中に次のようなものが含まれているのが分かります。
      1. 新築(あるいはリフォーム)時の屋根の代金(材料費と屋根工事費、いわゆるイニシャルコスト)
      2. メンテナンス費(30年間の間に必要とされる改修費、補修・修理費)
      3. 冷暖房費など30年間に必要とされるエネルギー費
      高い、安いという議論は、これらすべてを合計した上で比較しないと正確な所は判断できません。

      瓦屋根は高いというご指摘は、おそらく上記の内の【1】イニシャルコストだけを比較しているものと考えられます。瓦屋根は、金属系やスレートの屋根に比べイニシャルコストは割高(10%〜20%程度)になりますが、【2】メンテナンス費、【3】エネルギー費については、断然他の屋根材を引き離し、商品寿命である30年の合計の差し引きでは、むしろ「安価な耐久商品」となります。私たちメーカーは、他の屋根に比べ、瓦屋根を「安い」と考えています。

  • 地震や台風に強いガイドライン工法って何?
    • 今度地震や台風に強いガイドライン工法という新しい屋根工事の国の基準ができた、と聞きましたが、その内容についてわかりやすく教えてください。
      最初にお断りしておきますが、ガイドライン工法は「国の基準」というわけではありません。建築に関わる国の基準は、ご存知のように「建築基準法」です。普通の木造住宅はもちろん、超高層ビルにいたるまで、日本の建築物はすべて「建築基準法」に基づいて建てられています。

      この「建築基準法」が、1995年(平成8年)阪神淡路大震災で、多くの被害が出たことも影響して見直しが行われ、1998年(平成10年)新しい基準が出来ました。2000年(平成12年)には、同施行令(法律実施に当たっての細かい規定)及び国交省(旧建設省)の告示が出されました。同じ2000年には、関連する法律として、「住宅品質確保促進等に関する法」(いわゆる品確法。住宅性能表示や10年間の建築製造責任制度)が制定され、建築主である一般消費者が、安全で堅固な家を建てられるような基準ができたのです。

      「ガイドライン工法」とは、国が定めた新しい建築基準法の求める水準をどのようにしたらクリアできるかを、独立法人・建築研究所や瓦メーカーの全国団体(全国陶器瓦工業組合連合会、全国厚形スレート組合連合会)、瓦工事業者の全国団体(一般社団法人全日本瓦工事業連盟)が、様々な科学的実験を繰り返し、自主的に決めた基準です。したがって、「国の基準」でありませんが、国の基準に準ずる工事基準といえましょう。

      ここで、古い(1998年以前)建築基準法と、新しく制定された建築基準法の違いについて述べておきましょう。建築基準法の目的は、いうまでもなく、建築の安全性をしっかり確保することです。但し、この「安全性」に関して、古い法律と新しい法律では、「考え方」が違っています。古い法律の屋根に関する項目では、「安全を確保するためには、こういう材料を使って、このように施工しなさい」ということが細かく決められていました。このような基準を「仕様規定」と呼びます。具体的にいうと、次のように決められていました。

      「屋根瓦は、軒及びケラバから2枚通りまでを1枚ごとに、その他の部分のうち、棟にあっては1枚おきごとに、銅線、鉄線、くぎ等で下地に緊結し、又はこれと同等以上の効力を有する方法で、はがれ落ちないようにふくこと。」 このような方法で屋根をふけば、建築基準法はクリアしたことになります。2000年以前の屋根工事は、この基準に基づいてなされていました。しかし、これだと、台風や地震にどれだけ強いかがよく分かりません。

      新しい基準は、こうした工事のやり方、方法を細かく定めた「仕様規定」ではなく、「性能規定」による基準が設けられています。「性能規定」とは、材料や工法は問わないから、大きな台風や地震が来ても大丈夫な屋根の工事をしなさい、というわけです。一見自由に見えますが、屋根業界にとっては、実は、新しい建築基準の方がずっと厳しいのです。科学的なデータに基づいて、この屋根は、風速何十メートルに耐えられるか、震度いくつに耐えられるかの「性能」を持つ工事をしなければならないからです。もちろん、工事のやり方が細かく決められているわけではありませんから、その方法(モデル、ガイドライン)を示さなければなりません。「ガイドライン工法」は、台風の時の風圧や地震に対して、瓦がはがれて飛んだり落ちたりしないように、屋根業界が一体となって自主的に細かい基準を定めた「屋根の新しい性能を満足させるための工法」とご理解下さい。

      現在は、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」(ガイドライン工法)が確立され、台風や地震の時でも安心してお過ごしいただけるようになりました。

  • 熊本地震のように、震度7以上が連続しても大丈夫?
    • 熊本地震では、震度7以上の地震が2回連続しました。1回目は無事だったが、2回目に全壊や半壊した住宅がありました。ガイドライン工法の屋根は、このような地震に耐えられますか。
      ガイドライン工法で施工された瓦屋根であれば耐えられます。瓦業界では数々の耐震実験をしており、その実験は1回のテストで連続して数回震動を加えて検証しています。

      例えば、ガイドライン工法で施工した切妻屋根を、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)JR鷹取駅の震度7地点と同等の震動で耐震性を検証。実験は6回連続で、4回目から6回目では鉄筋6階建ビルの屋根を想定して行ないました。結果は、耐震実験で瓦の脱落は見られず、ガイドライン工法で施工された屋根は、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)と同等の震動を数回繰り返しても、棟の崩壊や瓦の脱落を防ぐことができることが証明されました。当サイトに「耐震実験動画集」[■HP]がありますのでご参照ください。

  • 同じ震度でも被害に大きな差があるのは何故?
    • 同じ大きさの震度でも、被害にあう家とそうでない家にバラツキがあるように思います。これはなぜですか。
      3つぐらいの要因が考えられます。

      1番目は、いうまでもなく、家自体の耐震性の問題です。柱の太さや耐震カベの数と配置、開口部の大きさ、筋かいの有無、基礎の強さなどが違えば、隣家同士でも、片方は大きな被害、片方はビクともしないという例は、全国の被災地のあらゆる所で見られます。阪神淡路大震災の時も、東日本大震災の時も道一つはさんで、こうした対照的な光景が見られました。こうしたことを受け全国の自治体では、それぞれの家ごとに、耐震診断(一部地域を除き、基本無料)を行っていますので、専門家にご相談ください。
      一般社団法人日本建築防災協会[■HP]

      2番目は、その家が建っている地盤の問題です。地盤の弱い所では、同じ規模の地震でも、当然被害は大きくなります。前述のように、道一本をはさんで被害の大きさが違った例はたくさんあります。現在は、道のむこうと全く同じように見える地面でも、海や川、沼や谷を埋め立てた土地は、地盤が弱いことになります。その埋め立てが江戸時代になされ、300年以上も経って安定しているといっても、大地震の前では大した差がありません。川や沼の痕跡が全くないのに、地名にそうした名前が付いている場所は要注意です。地域の資料館に行くと、古地図が残されていますので、自宅の土地が昔はどうだったかが確認できます。一度お調べになることをお薦めします。

      3番目は地震の種類です。浅い活断層の周辺で起きる直下型の地震は、狭い範囲に強い衝撃力(加速度・ガル)を与えます。阪神大震災の時に、神戸海洋気象台で観測した南北方向の最大加速度は818ガルでしたが、直下型の場合は、1000ガルをはるかに超えるケースがあるといわれています。地震の大きさ(マグニチュード)や揺れ(震度)が小さくても、こうした場合は、狭い地域で大きな被害が出ます。
      国立研究開発法人産業技術総合研究所「活断層データベース」[■HP]では、全国の活断層マップを発表していますので、ご自宅の位置を確認しておきましょう。

      上記の3つの要因で赤信号が出た場合は、早急な耐震対策にとりかかる必要があります。
      一般社団法人日本建築防災協会の公式サイト[■HP]に、耐震対策について自治体や建築技術者への相談窓口や、都道府県の耐震改修促進計画・支援制度など詳しく掲載されていますのでご利用ください。
  • 地震や台風に強い『防災瓦』って何?
    • 「ガイドライン工法」は地震や台風に強い施工方法ですが、この他に防災瓦というものがあると聞きました。どのような瓦ですか?
      瓦自体に防災機能を持たせた瓦のことで、瓦同士を噛み合わせて地震や台風によるズレや飛散を防止します。和瓦にも洋瓦にも防災瓦はあり、各社様々なバリエーションがあります。代表的な防災瓦には以下のようなものがあります。

  • 訪問業者による「無料で屋根診断」は信用できますか?
    • 築30年の2階建てです。「屋根の耐震診断、無料!」と書かれたチラシが入っていましたので、受けてみようと思いますが、どんな診断が出るか心配です。何か注意しておくことを教えて下さい。
      「耐震」に限らず、一般的にいって、「屋根の診断」を有料で行っている業者はあまり多くありません。信用できる工事業者の殆どは、無料で屋根診断を行って、適切なアドバイスをしてくれますが、「無料」に引きずられると、とんでもない悪質業者にひっかかるケースがあります。ご注意下さい。

      一般社団法人全日本瓦工事業連盟(全瓦連)[■HP]に加盟している工事店に相談されるといいでしょう。全瓦連は、全国で約2,800の専門業者が加盟している内閣府所管の一般社団法人で信頼できる全国組織です。都道府県ごとに組合事務所(全国44団体)[■HP]があり、公式サイトではお近くの加盟店を探すこともできますので、電話などで直接お尋ねください。

      また「耐震診断」については、屋根だけでなく、お住まいの構造など、家全体の耐震性を調べなければ、あまり意味がありません。一般社団法人日本建築防災協会の公式サイト[■HP]に、耐震対策について自治体や建築技術者への相談窓口や、都道府県の耐震改修促進計画・支援制度など詳しく掲載されていますのでご利用ください。


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